意外な盲点!高齢者のトイレ詰まりを防ぐための5つの注意点
ご自宅やご実家で高齢者の方のトイレ詰まりが増えていませんか?「特に変わったものは流していないはずなのに…」と不思議に思われる方も多いかもしれません。
実は、高齢者のトイレ詰まりには、年齢を重ねたからこその、いくつかの特有の原因があります。
この記事では、介護施設などでもよく見られるトイレトラブルを元に、高齢者のトイレ詰まりを防ぐための具体的な注意点と対策を、分かりやすくお伝えします。
1. 意外な落とし穴!「介護用品」の誤った流し方
高齢者のトイレ詰まりで最も多い原因の一つが、介護用のおむつや尿取りパッドを誤って流してしまうことです。
吸水ポリマーの膨張:紙おむつやパッドには、水分を吸収して膨らむ「吸水ポリマー」という素材が使われています。これが排水管内で水を吸うと、一瞬で大きく膨張し、配管を完全に塞いでしまいます。
認知機能の低下:認知症などにより、使用済みの介護用品をうっかりトイレに流してしまうケースも少なくありません。
【対策】
トイレ内に介護用品を入れる専用のゴミ箱を設置し、「これはゴミ箱に捨てるもの」というルールを明確に伝えましょう。また、ご家族の方は、定期的にトイレ内を確認し、誤って流されていないかチェックすることも大切です。
2. 「トイレットペーパー」の使いすぎ
トイレットペーパーは水に溶ける性質がありますが、一度に大量に使うと、完全に溶けきる前に詰まってしまうことがあります。
使用量の増加:高齢になると、体の不自由さからトイレットペーパーの使用量が増える傾向にあります。
節水型トイレとの相性:最近の節水型トイレは、少ない水量で流すため、トイレットペーパーが一度に流しきれず、少しずつ管内に溜まっていくことがあります。
【対策】
一度に多くのトイレットペーパーを使用しがちな場合は、何度かに分けて流すように促しましょう。また、節水型トイレを使用している場合は、「小」ではなく「大」で流すことを習慣づけてもらうのも効果的です。
3. 無意識に流してしまう「異物」
メガネ、入れ歯、補聴器、湿布、薬のシートなど、トイレ内に持ち込んだものをうっかり便器に落としてしまうことがあります。
手元の不安定さ:高齢になると、手先の感覚が鈍くなり、物を落としやすくなります。
「流せる」の誤解:水に流せると書かれた掃除用シートやウェットシートも、大量に流すと詰まりの原因になります。
【対策】
トイレには、落としやすい貴重品や流してはいけないものを持ち込まないように注意しましょう。また、トイレに流せるタイプの掃除用品なども、使用後はゴミ箱に捨てるよう促すことが大切です。
4. 知らず知らずのうちに溜まる「尿石」
トイレの詰まりは、固形物だけが原因ではありません。尿に含まれる成分が固まってできる「尿石」も、長期間の蓄積で配管を細くし、流れを悪くします。
排尿回数の増加:高齢になると、排尿回数が増える傾向があり、それに伴い尿石が溜まりやすくなります。
掃除不足:体の不自由から、便器の奥や配管部分の掃除が不十分になりがちです。
【対策】
尿石は、市販の酸性洗剤を使って定期的に掃除することで防ぐことができます。ご家族が手伝ってあげるなど、こまめな掃除を心がけましょう。
5. 間違った「節水」
節約のために、タンクの中にペットボトルを入れたり、常に「小」で流したりしていませんか?これは、トイレ詰まりを招く大きな原因です。
水量の不足:トイレは、メーカーが定めた水量で流すことで、排泄物やトイレットペーパーをしっかり押し流すように設計されています。水量が不足すると、十分に流れずに配管内で詰まりやすくなります。
【対策】
トイレの正しい使い方を再確認し、節水のために不適切な処置をしないように伝えましょう。
まとめ:安全で快適なトイレ環境のために
高齢者のトイレ詰まりは、放置すると大きなトラブルに繋がりかねません。
介護用品は必ずゴミ箱へ
トイレットペーパーは分けて流す
異物の持ち込みに注意する
定期的な掃除で尿石を防ぐ
正しい方法でトイレを使う
これらの注意点を家族で共有し、日頃から気をつけることで、トイレ詰まりのトラブルを未然に防ぎ、高齢者の方々が安心して快適に過ごせる環境を整えましょう。