トイレ詰まりを悪化させない!水の「量」と「流し方」の調整法
「トイレが詰まって水が引き始めた…でも、完全に流していいの?」トイレ詰まりが発生した際、次にどう対処すべきか迷う方は多いでしょう。
詰まりを解消しようと焦って大量の水を流してしまうと、便器から水が溢れ出し、事態を悪化させることになります。しかし、水の量を適切にコントロールすることで、詰まりを悪化させずに解消へ導くことができます。
ここでは、トイレ詰まりが起きたときに、まず試すべき**「水の量の調整法」**と、安全に詰まりを解消するための手順を解説します。
1. 詰まり発生時:まずは「水位の監視」を最優先に
トイレの詰まりに気づいたら、**「これ以上、便器内の水位を上げない」**ことが最優先です。
ステップ①:給水・止水を確認する
レバーを引かない: 詰まりが疑われる場合は、絶対にそれ以上レバーを引かないでください。
便器内の水位を確認: 水が自然に正常な水位まで引くのを待ちます。これは、詰まりが比較的軽度で、水がゆっくりと下水道へ流れている状態を示します。
止水栓を閉める(オーバーフロー対策): もし便器内の水がみるみる上昇し、溢れそうな場合は、すぐにトイレの止水栓を閉めて水の供給を止めましょう。止水栓は、通常、トイレの後ろや床に近い壁にあります。
ステップ②:安全な「水量」を把握する
水が溢れるのを防ぐためには、便器内に一度に流せる水の量を正確に把握することが重要です。
バケツを使う: 詰まりを解消する作業は、必ず**バケツ(またはペットボトルなど)**を使って行います。レバーで流すよりも、水の量を正確にコントロールでき、水圧もかけやすくなります。
流す量の目安: 便器内の正常な水位に戻ったことを確認してから、まずはコップ一杯程度の少量の水を注ぎ、水位が上昇しないか確認します。安全だと判断できたら、次にバケツ半分(約2リットル)程度の水を試してみましょう。
2. 詰まり解消を促す水の「流し方」テクニック
水圧を利用して詰まりを押し流すテクニックです。水の「量」だけでなく、「流す勢い」も重要になります。
テクニック①:高い位置から「一気に流し込む」
ただ水を注ぐのではなく、水圧(重力)の力を最大限に利用します。
方法: バケツに入れた水を、便器のフチから30〜40cmほどの高い位置から、詰まりの場所(排水口)を狙って一気に流し込みます。
効果: この落差を利用することで、通常の排水時よりも強い水圧と勢いが瞬間的にかかり、詰まりの原因となっている固形物を押し流す効果が期待できます。
テクニック②:お湯の温度に注意する
油分や石鹸カスが原因の詰まりには、お湯が効果的ですが、温度設定には細心の注意が必要です。
適切な温度: 40度〜60度以下のぬるま湯を使用してください。
NGな温度: **熱湯(70度以上)**は、便器の陶器を傷つけたり、排水管(特に塩ビ管)を変形・破損させたりする恐れがあるため、絶対に使用しないでください。ぬるま湯をバケツ一杯流し込み、約30分放置して油分を溶かすのを待ちましょう。
3. 水の調整と「ラバーカップ」の合わせ技
水の調整と、専用の道具(ラバーカップや真空式パイプクリーナー)を併用することで、詰まり解消の成功率が向上します。
道具使用時の水位調整
ラバーカップ(スッポン)を使用する際にも、適切な水位が必要です。
水位の目安: ラバーカップのゴム部分が完全に水に浸る程度の水位がベストです。水が少なすぎる場合は、バケツで水を足して調整しましょう。水圧がうまく伝わらず、吸引力が低下するのを防ぎます。
水が多すぎる場合: 便器内の水が多すぎて溢れそうな場合は、灯油ポンプなどを使って、水位を下げてから作業を始めましょう。
【詰まりが解消したサイン】
水の調整や道具での作業後、「ゴボゴボ」という音とともに便器内の水が一気に引き始めたら、詰まりが解消したサインです。
最終確認: 詰まりが完全に解消したことを確認するため、レバーで「少量」の水を流し、正常に排水されるかを確認してから、通常の排水を行いましょう。