なぜトイレは詰まる?排水口に異物が詰まる仕組みと自分でできる予防・解決法
トイレが詰まる…。
それは、暮らしの中で突然やってくる、とても困ったトラブルですよね。
「どうしてこんなことに?」「また詰まらないようにするにはどうすればいいの?」
実は、トイレの詰まりの原因と仕組みを知れば、そのほとんどは自分で予防したり、解決したりできます。
この記事では、トイレの排水口が詰まる意外な原因と、万が一のときに自分でできる対処法を、わかりやすく解説していきます。
【仕組みを理解】トイレの排水管は「S字」になっている
まず、トイレの排水管がどうなっているかご存じでしょうか?
実は、トイレの排水管は**「S字」のように曲がった構造**をしています。これを「排水トラップ」と呼びます。この曲がった部分には、常に一定量の水が溜まっていて、これを「封水」と呼びます。
この「封水」が、下水管から上がってくる悪臭や、害虫の侵入を防いでくれているのです。
しかし、この便利なS字の構造こそが、詰まりの原因になりやすい部分でもあります。S字部分で異物が引っかかったり、汚れが溜まったりすることで、水の流れが悪くなってしまうのです。
【意外な原因】これがトイレに詰まる異物だ!
では、具体的にどんなものがトイレの排水口を詰まらせてしまうのでしょうか。
1. 水に溶けない固形物
最も多いのが、誤って流してしまった固形物です。
おもちゃ
スマホ、眼鏡
固いティッシュペーパー(鼻をかむためのティッシュなど)
これらは水に溶けないため、S字の排水管に引っかかり、水が流れなくなってしまいます。
2. 水に溶けにくいもの
「流せる」と書かれていても、実は水に溶けにくいものが詰まるケースも増えています。
「流せる」お掃除シート
トイレットペーパーのように細かく分解されないため、複数枚流すと、S字部分で絡まって詰まりの原因になることがあります。
トイレットペーパーの大量使用
一気に大量のトイレットペーパーを流すと、完全に溶けきれずに詰まってしまうことがあります。
3. 経年劣化・汚れの蓄積
目に見えない汚れの蓄積も大きな原因です。
尿石
尿に含まれる成分が固まってできたもので、排水管の内側にこびりつき、水の通り道を狭くします。
油分や食べ物のカス
シンクとは違い、トイレに油分を流すことは少ないですが、嘔吐物などで流れ込んだ油分が固まり、詰まりを引き起こすこともあります。
【いますぐできる】詰まりを未然に防ぐ3つの方法
トイレの詰まりは、日頃のちょっとした心がけで防ぐことができます。
1. 適切な水量を流す
「節水のために、小で流しがち…」という方もいるかもしれません。しかし、適切な水量を流さないと、排泄物やトイレットペーパーが流れきらず、詰まりやすくなります。
特に、トイレットペーパーを多く使ったときや、便器の中のものが流れにくいと感じたときは、躊躇なく**「大」で流す**ことを意識しましょう。
2. 流していいもの・いけないものを把握する
当たり前のようですが、これが最も重要な予防策です。
トイレットペーパー以外の紙類(ティッシュペーパー、紙おむつなど)や、固形物は絶対に流さないように、家族にも共有しておきましょう。
3. こまめな掃除を心がける
尿石などの汚れは、蓄積すると厄介です。ブラシでこするだけでなく、定期的にクエン酸や尿石専用の洗剤を使って掃除することで、汚れの蓄積を防ぎ、水の流れを良くすることができます。
もしも詰まってしまったら?自分でできる簡単な対処法
万が一、トイレが詰まってしまっても慌てないでください。まずは自分でできる簡単な対処法を試してみましょう。
ラバーカップ(スッポン)
詰まりの対処法として最も有名で効果的な道具です。排水口にぴったりと密着させ、「押す」のではなく「引く」力を意識して使うのがポイントです。
お湯を注ぐ
40~60度のお湯をゆっくりと注ぎ、数十分待つと、トイレットペーパーなどの軽度な詰まりが溶けることがあります。ただし、熱湯は便器を傷つけるためNGです。
どんな時に専門業者に頼むべきか?
固形物を流してしまった時
ラバーカップを使っても改善しない時
排水口から異臭がする、水が引かない時
これらの場合は、無理に自分で対処しようとせず、プロの専門業者に相談しましょう。
まとめ:トイレの構造とルールを知れば、もう怖くない
トイレの詰まりは、突然起こるからこそ焦ってしまいますよね。
でも、排水管のS字構造を理解し、流すもののルールを守ることで、その多くは防ぐことができます。
もし詰まってしまっても、今回ご紹介した対処法を試してみてください。きっと、もうトイレの詰まりに悩まされることは少なくなるはずです。